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2022.10.14
技術
社員ブログ

メタバース どう活用する?

セールスリーダー nagapo

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メタバースって何? 

○○ × メタバース!みたいな感じで、よく目にするようになりましたね。

しかし、あまり身近に感じる機会は少ないのではないでしょうか。
そして一体なんなのか?
実は良く全容を把握していなかったりしませんか。

なんとなく近未来的な新しい取り組みってイメージですが、メタバースって一体全体何なんでしょうね?
結論から言うと、仮想空間でアバターによる活動を行うことができる世界の事を現在では「メタバース」と呼んでいます。

語源は、小説の中の言葉でニール・スティーブンソンのSF小説「スノウ・クラッシュ」の中に登場します。
「超越」を意味する「Meta」と「世界」を意味する「Universe」=「メタバース」…。
超越した世界とは…なんとも中2心をくすぐるネーミングですね。

VR(仮想現実)とが違うの?というと。
あくまでインターネット上の仮想空間のことなので、VRで表現する事も有りますし、VR機器の有無関係なく使うことができるのも特徴です。

ゲームの「フォートナイト」や「あつまれどうぶつの森」などはその象徴ですね。
またアバターはありませんが、インターネットを介して情報のやり取りをする場と言う意味では「Twitter」などのSNSも広義としてメタバースと言えるかもしれません。

さてそんなメタバースがなぜ今こんなにも話題なのでしょうか。

 

 

何故?メタバースがなぜ期待されるか

リベンジ!セカンドライフ

2002年にSecondLifeというゲームがあったことをご存じでしょうか。

決められたストーリーや目的はなく、アバターで世界中を観光したり、出会った人と会話したり、仮想通貨なんて呼ばれる前の時代から「リンデンドル」というゲーム内通貨で商売をすることもできました。
しかも米ドルと互換性があり、ゲーム内で得た収益で、現実世界の生活費をまかなうという人まで出てきました。

これが約20年前に存在していたなんて信じられますか?
なんか今よりもむしろ進んでいる気すらしますよね。

当然、この新しいコンテンツをメディアはこぞって取り上げましたが、急激に勢いを失っていくことになります。
当時のmixiのアクティブユーザーが600万人ほどでしたが、SecondLifeのアクティブユーザーはわずか100万人程度ととても少なかったのです。

一体何故ユーザーがこれほど少なかったのでしょうか。
主に下記のような原因がありました。

・高いPCスペックが必要であること
・通信の高速化が進んでいない
・WindouwsPCでしか使えない等…

このような理由でユーザーの参画するための障壁が高く、一部でしか盛り上がっていないコンテンツになってしまいました。
そのため騒いでいたメディアも、思ったような経済効果が生まれないため、SecondLifeはだんだんとオワコン化していったのです。

しかし昨今5G等の技術による通信の高速化、デバイスの多様化、NFT等の発達により、当時のSecondLifeで課題だったものが解決し、利用するためのハードルも下がってきました。
ついにメタバースが盛り上がるための土壌が固まってきたと言えるわけです。

 

コロナ禍で人々が求めたもの

コロナになってからビジネスで大きく変わったところは何でしょうか。
はい、リモートワークです。

コロナ前からリモートを導入しようとしていた企業も多かったかもしれませんが、セキュリティなどもリスクの検討などに時間がかかりなかなか進みませんでしたが、コロナになってから半強制的に導入されていきました。

人々はリモートワークが普及すると

「リアルでなくても業務ができる」

「リアルのコミュニケーションの重要性」

と言う「発見」と「課題」を同時に感じる事になります。

なんとかリモートを継続しつつコミュニケーションの質を上げられないかと考え、マイクロソフトは社員同士コミュニケーションの向上を目的に、Teamsにカジュアルゲーム導入、オンラインでのコミュニケーションツールを作りました。

Metaは現実世界と仮想世界をシームレスに繋ぐことを意識したバーチャルオフィス「Horizon Workrooms」をリリースしました。
VRで没入感をプラスすることで実際に会っているかのように、アバターを使いコミュニケーションをとることができるものです。
多くの企業が、現場にいながらコミュニケーションの質を落とさないようにする取り組みが行われ、そのヒントになっているのがメタバースなのです。

またコロナ禍により、リアルイベントが開催できなくなりバーチャルマーケットへの関心が一気に高まりました。
バーチャル空間上でブース出展者とコミュニケーションしたり、友人と一緒に会場を回ったりといった、リアルと近しい体験を味わえることに対して魅力的に感じている人がコロナ禍で一気に増加したのです。
人と接することがなくなり、リアリティを求めた結果と言えるかもしれません。

 

世界規模の大手企業の参画

有名なのはFacebookが2021年に社名を「Meta」に変更し、文字通り社運をかけ、メタバースに注力していくことを発表しました。
これを機に「メタバース」という名前を知った方も多いのではないでしょうか。

マイクロソフトも現在の「Teams」のサービスを拡張し、仮想空間で会議・交流ができるサービスを進めています。
マインクラフトの買収も、メタバースを意識した動きと言えるでしょう。

クラウドコンピューティングサービスを提供しているアリババクラウドも、2021年12月23日に企業のメタバース構築支援のソリューションを提供開始しています。

ZOZOTOWNの前澤友作さんも、Web3とメタバースにファンドを立ち上げ、100億円の投資をしたことも話題となりました。

活用の仕方など課題は多いですが、これだけの大企業が力を入れている中、キラーコンテンツが生まれるのも時間の問題。
そうなれば一気に火は燃え広がっていく事になるでしょう。

 

今後どのように活用されていくか

今活用されるメタバース

メタバースはこれまでゲームを中心に利用されてきましたが、徐々にビジネスシーンでの活用事例も増えてきています。

先に挙げた「Horizon Workrooms」もそうですがバーチャルオフィス化は確実に広がっています。
たとえば、「oVice」はバーチャル空間を提供するサービスですが、求人サービスなどを手掛けるエン・ジャパン株式会社は全社に導入しました。
1,000人程度が毎日バーチャルオフィスにアクセスしています。

またコロナの影響で商談会や、展示会、就職セミナーなどのイベントのオフライン開催が難しくなりました。
クラスター株式会社の「cluster(クラスター)」は、様々なイベントをメタバースで開催できるメタバースプラットフォームとなっています。スマートフォンやPC、VR機器など様々な環境からバーチャル空間に集ってイベントに参加したり、友達とコンテンツを楽しんだりすることが可能です。
「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」もこちらのアプリを利用しています。

伊勢丹では、新宿本店のある新宿三丁目周辺の景観を再現し、アプリの「REV WORLDS」を利用して、バーチャル伊勢丹新宿店をアバターで買い物を楽しめます。
気になる商品があれば、アプリ上からオンラインストアに接続して実際の商品を購入することができます。他のお客さんとの交流やデートを楽しむなんてこともメタバースならではですね。

 

これからのメタバースの活用

こう見てみるとゲーム上のメタバースは「現実には無い世界」を表現していますが、ビジネス上でのメタバースは、「現物を再現させた世界」という印象です。
つまり今あるものをメタバースで表現してみる事が、新たなサービスへの入り口ではないでしょうか。

メタバースの空間に、企業を紹介する看板を設置したとしてもWeb経由で企業を紹介する方法としては、既に「Webサイト」が昔からありますよね。
メタバースとは突然発生した全く新しいコンテンツというより既存のユースケースが変化した新たなチャンネルと言う見方をする必要があるでしょう。

「自社の事業」また「働き方」が、仮想空間上で行われるとしたら、どんな反応があるでしょうか。
それが今後のメタバースの活用のヒントになるかもしれません。

各人がそのイメージを持つことで、本当の「超越した世界」が訪れるのかもしれません。